コンビニ・エバポ 第45弾
導入事例紹介(ユーザーズボイス)
血液・尿サンプルの溶媒置換時間を最大1/2に出来ました!
今回は、新潟県で法医解剖を行っている新潟大学 医歯学総合研究科にご所属の葛城先生にお話を伺いました。
トピックス
- ・尿サンプルでは窒素吹付装置の半分の時間で濃縮作業を完了!
- ・濃縮のバラつき、飛び散りを軽減!
・1日3回、Spiral Plugを洗浄交換しながら、多サンプルを処理!
研究内容と濃縮の目的
- 日常業務として法医解剖などで採取した検体の薬毒物機器分析を行っています。コンビニ・エバポは、分析用に検体を前処理するときに使用しています。
薬毒物分析にはGC-MS/MSを使用しており、微量の薬毒物を高感度に検出するために濃縮乾固を行っています。解剖がある日は1件あたり半日程かかり、実験作業ができないため、解剖がない日にまとめて前処理等を行うようにしています。 - 検体は血液や尿が多く、薬物分析で多く用いられるQuEChERS法で検体の前処理を行っています。乾固した検体には酢酸エチルを加えてGC-MS/MS分析をします。
コンビニ・エバポを利用する条件
- ・保有機種:コンビニ・エバポMT8
・ご使用容器:PP製マイクロチューブ(1.5mL)
・溶媒: アセトニトリル 約500µL - ・設定温度:40℃
- ・サンプル:血液/尿/胃内容物など
- ・濃縮頻度:週1,2回
- ・作業時間:20~30分/回。一度に8本ずつ濃縮。
- ・設置個所:キャスター付きの台の上。排気はホースを伸ばしてドラフトへ。
コンビニ・エバポ導入のきっかけ・導入後の作業について
- 同じラボの先生がコンビニ・エバポの案内を見て薦めてくれたことがきっかけでした。
最初はコンビニ・エバポC10ライトに興味を持っていたのですが、使用容器がマイクロチューブだったため、当時、新発売のコンビニ・エバポMT8に興味を持ちました。
- コンビニ・エバポを導入する以前は、吹付ノズルを取り付ける穴が36個付いている窒素吹付装置で濃縮を行っていました。
1回の作業における検体数は基本8検体でしたが、検体が多い時にはその分ノズルを増やして使っていました。ただ、ノズルを増やすと吹付量(強い位置弱い位置)が変わることで濃縮ムラ/バラつきが出てしまったり、吹付によるサンプルの飛び散りもあり、何とかしたいと思っていました。
コンビニ・エバポを使ってみて感じたこと
<利点>
- ・濃縮乾固が以前より速くできるので1日で処理できる検体量が増えたと思います。血液サンプルは水分が少ないので、大きな差はないかもしれませんが、尿サンプルは窒素吹付では40~50分かかっても全然とばなかったので、時間としては半分以下になっています。計画通り実験を進めるために、理想は1日に8検体×2~3セットの濃縮処理をしたかったのですが、コンビニ・エバポを導入してからはリズム良く1日3セットの処理ができ、助かっています。
<課題>
- ・8検体の流量調整を簡単にできるようにしたい点です。ルーチンワークのため、標準化できるとより効率化できます。
・濃縮の最後になると、飛び散りしやすくなるため、ちょうど良い加減を知りたいです。現状は感覚で調整しているため、目盛りなどあると良さそうですね。
取材者のコメント
葛城先生、この度はお忙しい中、インタビューへのご協力をいただき、誠にありがとうございました。法医学という社会的にとても重要な現場で、我々のコンビニ・エバポがをお役に立てて、大変光栄です。水を含むサンプルは濃縮に時間がかかりやすくお困りの方が多いため、葛城先生のお話を伺い、MS前処理の生体サンプルの濃縮で自信を持ってご提案していきたいと思いました。
また、流量調整を容易にする点など、使い勝手の良さを追求していくことが今後の課題と捉えており、適切な方法が確立され次第、ご報告いたします。
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