コンビニ・エバポ 第41弾
導入事例紹介(ユーザーズボイス)
DMSOを使用する抵抗感がなくなり、作業時間も削減できました!
今回は、「分子をつなぐ」「分子を壊す」「面白い分子をつくる」を基本命題とし、分子構築に関して多岐に渡るテーマにて研究をしていらっしゃる、武藤 慶 先生にお話を伺いました。
インタビュー先:
早稲田大学 先進理工学部 応用化学科 有機合成化学 山口潤一郎研究室 武藤 慶 准教授
ご研究内容
- ①分子をつなぐ…自在な分子構築が可能な触媒とその反応の開発を目指しています。
②分子を壊す…炭素-炭素結合の切断に伴う新しい分子結合形成を目指し、それらを促進する新しい触媒開発を行います。
③面白い分子をつくる…全く新しい機能分子を創ることが最終的な目標です。
これまでの作業
- 今までは、DMSOやDMFなどの高沸点溶媒の濃縮については、ロータリーエバポレーターで80℃に加温して濃縮する、もしくは分液操作をすることで除去していました。ロータリーエバポレーターでは完全に溶媒が飛ばしきれず残ってしまう事があり、分液操作については、作業時間自体は短い(20~30分)のですが、水溶性の目的化合物を取り扱うこともあり、その場合は化合物が水層から回収できないという困り事がありました。
コンビニ・エバポ導入のきっかけ・導入後の作業について
前所属の名古屋大学にて、他研究室の先生がコンビニ・エバポを使用していたため存在は知っていました。
2018年に、研究室主宰者の山口先生がバイオクロマトからの 「科学技術分野の文部科学大臣表彰を受賞した」 というメールをご覧になり、さらに存在を意識し、この度タイミングが合いコンビニ・エバポK4を導入しました。
導入後は、試料を高沸点重溶媒使用後のNMRチューブからの試料回収はもちろん、日常的な実験でバイアルに保存する試料の濃縮時にも活用しています。
(コンビニ・エバポを用いたNMR後の試料回収についての参考動画 (YouTube動画へ)
- ≪濃縮する際の実験条件≫
・溶媒名/溶媒量:DMSO, DMF, H2O etc… /0.50-2mL
・容器種類/容器容量:2mL-20 mL バイアル
・温度設定:50–60℃
・濃縮頻度:毎日、誰かしら使用しています
・作業時間:平均1–2時間/回くらいです
研究室の学生様にもコンビニ・エバポを用いた実験の様子をインタビューしてみました。
A様 「70℃に加温しながらバイアル中のDMSO・1mLを濃縮したら、約1時間で飛びました。」
B様 「60℃に加温し、試験管中のDMF約1mLを濃縮したら、お昼ご飯を食べている間(1時間程)に飛んでいました。」
C様 「色んな容器が使える点と、4つ同時に試料セットできるので他の人と同時に使用できる点が良いですね。」
コンビニ・エバポを使ってみて感じたこと
- <利点>
一番の利点は、高沸点溶媒の濃縮が可能になったので、DMSO等を使用する際の抵抗感が低減した事です。また、突沸しないという点は、安心感があります。突沸後のリカバリーで時間とサンプルをロスしてしまいますし、何より気持ち的にへこみますので。
あとは、バイアルでそのまま濃縮できる点などで、無駄な実験時間が削減できている点も利点です!
- <ご要望>
メインは高沸点溶媒の濃縮なのですが、たまに低沸点溶媒を濃縮する際に、結露してしまう点が気になります。梅雨の季節という事も関係していると思いますが。あとは、もっと価格が安いといいなと思いました。
取材者のコメント
武藤先生、学生の皆様、この度はお忙しい中、インタビューにご対応いただきありがとうございました。皆様、とても撮影慣れをされていたのですが、実はあの有名なChem-Stationを運営されている研究室でした!
実際にご使用されている方々に同時にお話を伺う事が出来、「お昼ご飯を食べている間に飛んでいました」という、まさにコンビニ・エバポの手軽さを示唆したようなコメントも頂く事が出来、大変嬉しく思いました。気になる点として挙げていただいた低沸点溶媒の濃縮につきまして結露してしまう点、ご不便をおかけしまして申し訳ございません。加温温度を上げていただく・気流を強くして頂く事で低減できるかと存じます。
価格に関しましては、今後より製品知名度を上げ、販売数を増やし、大量生産できるようにして価格を下げられるよう頑張ります。今回の武藤先生のボイスをご覧になって、コンビニ・エバポにご興味をお持ち頂く方が増えるのではないかと存じます!4検体同時に濃縮可能なコンビニ・エバポK4が、皆様のご研究において引き続きお役に立てますと幸いです。
今後もご期待に応えられるよう努めて参りますので、どうぞ宜しくお願いいたします。
(取材担当:坪川)デモ依頼・ご質問等受け付けております
- <利点>