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コンビニ・エバポ 第4弾

導入事例紹介(ユーザーズボイス)

放射性医薬品の合成研究に使用しています!

今回お話を伺った山口先生は、放射線医薬品の合成を専門に研究されており、中枢神経疾患の早期発見に御尽力されております。研究の中で弊社の装置をどのようにご使用頂いているのかご教示頂きました。
(秋田県立病院機構 秋田県立脳血管研究センター 放射線医学研究部 山口博司 先生)

山口先生の研究内容

研究分野は有機合成化学で、放射性医薬品やその前駆体の合成を行っています。具体的に言いますと、現在はドーパミンD3受容体イメージング剤を目指した合成検討をしています。
ドーパミン受容体はパーキンソン病やアルツハイマー病などの脳の神経疾患と関連しているといわれています。私は中枢系疾患の早期発見のためのイメージング剤開発研究を進めています。

導入のきっかけ

今回この装置を見たのは薬学会の時に面白い装置があると共同研究者に紹介してもらったのがきっかけです。
その方も同様(放射性医薬品)の研究をしているので、使う用途はあるかと思います。
ただ、基礎研究であればそこまで問題になりませんが、医薬品の製造となった場合は、無菌環境下で行う必要があるので工夫が必要だと感じます。
例えば放射性医薬品の合成の場合、PC上から遠隔で操作する自動合成装置を用いることが多いのですが、御社の濃縮の機構を組込んで使えるとなると少し幅が広がるかもしれませんね

コンビニ・エバポの活用方法

一つは、N-メチル-2-ピロリジノン(NMP)の濃縮です。
私の現在の研究の中では、NMP溶液を反応にかけたのち、水で10倍程度に希釈してSepPakで精製するという操作を多用しています。SepPak精製を効率よく行うためにも、水での希釈前に10ccの反応溶液を1cc程度まで濃縮したいのですが、NMPは非常に沸点が高い(*1)溶媒ですので、ロータリーエバポレーターでは全く濃縮出来ませんでした
そのNMPを濃縮出来るという点で、御社の装置は非常に役に立っています。

もう一つは[18F]フッ素イオンを含む水溶液の濃縮です。

ロータリーエバポレーター等で濃縮することもできるのですが、放射性物質なので近くで様子を見ていると被曝してしまいます。
ですので、通常ホットセル(*2)内に入れなければならないのですが、ロータリーエバポレーターは場所をとるのでスペースの限られたホットセル内には入れられません。コンビニ・エバポは省スペースでホットセルに収まるコンパクトサイズでしたのでちょうどよかったです。

実際使ってみて感じたこと

濃縮速度も満足できています。
今は20ccスクリューバイアルに1mL程度の水溶液を入れて濃縮しています。
濃縮後の反応時に水が残っているとまずいので、目視でとんだことを確認してからもしばらく装置を動かして、中がカラカラになるまで放っておいています
フッ素同位体[18F]は半減期が約2時間なので、出来るだけ早くとばす必要があるのですが、特に熱で壊れることもないので、100℃で加熱して時間を短縮しています。
15分くらいたてば終わるので、早いと感じますね。

カラーについて

本体のカラーはSUN(※赤)を選びました。単純に自分が好きな色という理由ですね。あとは、研究室にはない鮮やかな色だったというのも良いと感じました。
(※カラーに関するアンケートでも、SUNは1位人気でした。:コンビニ・エバポ アンケート

*1 NMPの沸点は204℃
*2 ホットセルとは放射性物質を取り扱うために十分な遮へいを施した設備のこと

取材者のコメント

山口先生は合成反応後のNMP溶液の濃縮と[18F]フッ素イオンを含む水溶液の濃縮に弊社の『コンビニ・エバポC1』をご使用頂いております。ロータリーエバポレーターではなかなか濃縮が難しいと感じていたそうですが、今回導入頂いた『コンビニ・エバポC1』でその点が解決できたという嬉しいお話しを聞くことができ大変うれしく思いました。
私共の製品が山口先生の研究のお役にたてていることで、医療の発展に貢献できていると思うと光栄に思います! (取材担当:開発部 阿部)

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