RAPID Slit Seal エビデンスシート 気密性
要旨
RAPID Slit Seal は、96 ウェルプレートを使用した自動分注システムで、溶媒分注時の溶媒揮発防止をするために開発された。シール表面の米印型のスリット構造により、ピアシング後にセルフクロージングする機能を持たせた。本シールの揮発防止レベルが、実験系に影響を与えることが考えられるため、気密性評価を水(37℃)とアセトニトリル(4℃)に対して行った。その結果、RAPID Slit Seal は、溶媒揮発防止に有効であることが示唆された。
方法
(96 ウェルプレート:BioChromato,RAPID Tube Plate 600)の各ウェルに、水、アセトニトリル(4℃、Cool unit:TECAN,COOL UNIT)で 22 時間インキュベーションし、1、2、4、7、22 時間後に重量測定(Sartrius,CPA225D)した。0 時間の溶媒重量を 100%とし、0時間から 22 時間までの残存溶媒重量を%で示した。気密性の比較対象として、シールを貼らないプレート、粘着アルミシールを貼ったプレートを準備し、それぞれシールなしとアルミシールで密封したもので、同様に測定した。
結果
結果1 水に対する気密性の評価(37℃)
結果2 アセトニトリルに対する気密性の評価(4℃)
まとめ
水に対する気密性の評価(37℃)
22 時間後、アルミシールで密封した場合の水の重量残存率が約 99%、シール無しの場合の残存率が約 40%だった。これに対して、RAPID Slit Seal の残存率は、約 95%だった。
この結果より、RAPID Slit Seal は、96 ウェルプレートのウェル中の水溶液の揮発防止に有効であることが示唆された。
アセトニトリルに対する気密性の評価(4℃)
22 時間後、アルミシールで密封した場合のアセトニトリルの重量残存率が約 99%、シール無しの場合の残存率が約 68%だった。これに対して、RAPID Slit Seal の残存率は、約 93%だった。
この結果より、RAPID Slit Seal は、アセトニトリルの揮発防止に有効であることが示唆された。
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