オリーブオイルのマスキング効果(トマトのレトロネーザルアロマ)
目的
飛行時間型質量分析計を検出器とし,ミニトマトを用いたオリーブオイルのマスキング効果について検討した.
実験方法
イオン源 ChemZo バイオクロマト社製
質量分析計 compact QTOF Bruker社製
測定方法 ミニトマトおよびオリーブオイルを掛けたミニトマトを喫食後,呼気に含まれる香り成分をチューブを介してMSに導入した.
解析方法 Spectra Scope及びData Analysisソフトを用いてマススペクトルから香り成分を抽出し,オリーブオイルのマスキング効果について解析した.
結果
Fig.1にミニトマト及びオリーブオイルを掛けたミニトマトの代表的な香り成分のEICを
示した.喫食後に徐々にEIC強度が減衰すること及びオリーブオイルを掛けたことに
より,EIC強度が約1/3程度に低下することが分かった.Table 1に香り成分である
m/z 142.0865の強度の変化を示した.Ratioが大きい程,ブランクに対して大き
な変化を示したことを表している.
Fig.2に喫食・余韻時間のマススペクトルを示した. m/z 142.0865から計算し
た化学式はC7H11NSとなり,この成分はトマトに微量,含まれる香気成分である2-
イソブチルチアゾールと推定した.オリーブオイルが代表的なトマト臭である2-イソブ
チルチアゾールの香りをマスキング効果によって弱めたのではないかと思われる.
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