Volatimeshipの感度向上のためのキャリアガス種の検討
はじめに
Volatimeshipは、DART (Direct Analysis in Real Time) イオン源に接続して使用するデバイスであり、揮発性成分を大気圧下でリアルタイムに直接検出することを可能とする。
今回、本デバイスの高感度化を検討するにあたり、揮発性成分をイオン化部に導入する際に用いるキャリアガスの種類による影響を検討したところ、Heを用いることで感度が向上することが確認された。
試料
リモネン リナロール テルピネオール オクタナール
方法
分析システムは、DARTイオン源と質量分析計の間にVolatimeshipを接続して構成した(Figure 1)。
40 mLバイアル瓶に試料2 μLを入れて密栓し、キャリアガスとしてN2、air、Heを用いてイオン化を行った。
Figure 1. 分析システム
結果
キャリアガスにHeを用いることで感度(イオン強度)が数倍に向上する物質があることがわかった(Figure 2 (上段))。また、キャリアガスの種類によって生成する分子量関連イオン種に大きな違いは見られなかった(Figure 2 (下段))。
これらのことより、Volatimeshipによる揮発性成分の分析において、キャリアガスをHeに変更することで検出感度を向上できる可能性があることが示唆された。
Figure 2 (上段) 各試料のTotal Ion Currentgram (TIC)
(下段) 各試料のマススペクトル
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