多目的イオン源”ChemZo”によるアルミホイルの分析
多目的イオン源”ChemZo”は、今まで困難であった液体・固体の直接分析および気体のリアルタイム分析を一つのイオン源で可能にした全く新しい発想のイオン源です。
液体・固体の分析では希釈や溶媒抽出などの前処理をすることなく、昇温加熱デバイスにより直接測定が可能です。
気体のリアルタイム測定ではレトロネーザルアロマの計測などに利用できます。
それぞれのデータは統合解析ソフトウェア「Spectra Scope」により、簡単に解析ができます。
Spectra Scopeの主な機能:
材料データベース 「Compound Search」
ポリマー解析ツール「Polymer Engine」
差分解析ツール「IDS:Intelligent Data Subtraction」
レトロネーザルアロマ専用解析ツール 「Retronasal Plus」
目的
ChemZoイオン源の昇温加熱モードを用いて、アルミホイル2種類(通常品、シリコン樹脂加工品)の測定を飛行時間型質量分析計を検出器として測定した。
実験方法
イオン源 : ChemZo バイオクロマト社製
質量分析計 : compact QTOF Bruker社製
測定方法 : アルミホイル約5mgを切り取りPOT Lに導入し室温から600℃まで昇温しながらMSを測定。(赤:通常品 青:シリコン樹脂加工品)
解析方法 : Polymer Engineを用いて5~6分近辺のマススペクトルの解析を行った。
結果
Fig.3に2種類のTICを示した。シリコン樹脂加工品には5~6min付近に熱分解物と思われるピークが見られる。Polymer Engineによる検索を行ったところ、ジメチルポリシロキサン(C2H6SiO)であることがわかった。
マススペクトルから繰り返し構造およびモノマーの種類を直接同定することは非常に困難だが、Polymer Engineでは登録したモノマーのデータベースから自動的にモノマーおよび繰り返し構造を検出することが可能である。(Fig.4,5)
ChemZoとSpectra Scopeによる一連の測定と解析は10分程度で完了する。
ご質問・PDFデータのご希望等、お気軽にお申し付けください。