リアルタイムモニタリング:ワインの揮発性成分放出挙動
アプリケーション
はじめに
・ワインは世界で最も多くの地域で飲用されているアルコール飲料の一つであり、
その香りや味は、ワインを入れるグラスの形状やワインの温度によって異なることが知られている。
・Volatimeship DART-MSは、試料からの揮発性成分の放出挙動をリアルタイムにモニタリングできる分析装置であるが、
今回、ワインの香り方のグラス形状による違いを視覚化すべく、2種のグラスを用いて測定を行った。
その香りや味は、ワインを入れるグラスの形状やワインの温度によって異なることが知られている。
・Volatimeship DART-MSは、試料からの揮発性成分の放出挙動をリアルタイムにモニタリングできる分析装置であるが、
今回、ワインの香り方のグラス形状による違いを視覚化すべく、2種のグラスを用いて測定を行った。
試料
・白ワイン
・グラス2種
(コップ、ワイングラス)
方法
Fig.1の分析システムを用い、
右記の手順で測定を行った。
※ Volatimeshipの吸引口は、
各グラスでワインを飲むときに
鼻が来る位置に設置した
結果
Fig.2 に示したワインから検出された揮発性成分のマススペクトルより、両グラス間で検出成分の種類や量比に差異を認めた。
また、ワイングラスから検出されたがコップからは検出されない成分(m/z 89.05, C4H9O2など)があることも分かった。
Fig.3に示したm/z 129.05 およびm/z 191.09(ワインからの検出した成分の一例)の放出挙動(EIC)より、測定開始直後から検出される成分や、ゆっくり時間をかけて強度上昇してくる成分があることが視覚化された。また、m/z 129.05では相対的にワイングラスでの放出量(検出強度)が強く同じ成分でもグラスの形状によって異なる放出挙動を示すことが視覚化された。
両グラスにワインを入れて香りを鼻で嗅いだ際、ワイングラスではコップよりもワインの香りが強く感じられたが、本実験では、この感覚の違いを視覚化することができたと考える。
Volatimeship DART-MSを用いることで、ワインの香り方のグラス形状による違いを可視化することができた。
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