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パッケージのインクジェット印字確認

アプリケーション

はじめに

食品や化粧品、医薬品などには、各種法令によって義務付けられている表示があるが、これらに関する不良が市場で発見されることも少なくはない。生産時に印字されていなかったのか、あるいは出荷後に消えてしまったのかにより、講じるべき対策が全く異なるため、再発防止に向け不良発生工程を把握することは非常に重要である。そこで今回、ionRocketを用いてパッケージ上で意図的に印字を消した部位におけるインクの有無を確認し、「印字後に消えた」ことを明らかにした事例を紹介する。

 

試料

インクジェット印字フィルム(Figure 1)
①正常品
②印字欠落品*)
③印字欠落部の拡大**)

*正常品から溶媒で印字部を拭き取り意図的に欠落部位を作成
**実体顕微鏡下で、0.5mm程度の印字残りと思われるものを確認

 

 

 

方法

分析システムは、DARTイオン源と質量分析計の間に、ionRocket(昇温加熱デバイス)を接続して構成した(右図)。

試料として、印字部位を掻き取ってPOT(試料台)に入れ、室温から600℃まで100℃/minで昇温を行った。

 

 

 

結果

インク成分の照合のため印字部位を測定したところ、400℃付近にインク特有成分と思われるピーク「m/z 342.1」を検出した (Figure 2)。意図的に印字を拭き取った試料では、実体顕微鏡下でインク残りと思われる微小部位が認められたため (Figure 1 ③) 、これを掻き取り同様に測定したところ、印字部位と同じ位置にインク特有のピーク「m/z 342.1」が検出されたことから、インクが微量にパッケージに残ったものであると確認された (Figure 3)。
他の手法では、フィルム上の微小な印字部位の確認の際に基剤のフィルムが測定を妨害するケースもあるが、本手法は基剤の影響も受けず、微量の試料でも高感度に検出することができるため、品質保証や品質管理などの場面に利用できることが期待される。

Figure 2. 印字部位

 


Figure 3. 印字拭き取り試料のインク残り部位

 

 

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